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明日をつくる未来へのアクション

北海道のまちと東京で出会える「北海道さっぽろ圏移住フェア」とは

2026.1.19

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東京で、北海道・さっぽろ圏の暮らしを考える移住イベントが開催されます。2026年2月14日(土)、東京・有楽町の「東京交通会館」で行われる「北海道さっぽろ圏移住フェア2026」です。会場では、札幌市をはじめとする周辺市町村の担当者がブースに立ち、移住や暮らしについて直接相談できます。セミナーでは、移住経験者や地域のリアルな声も聞くことができます。

今回はこのイベントを前に、札幌市の担当者である和田直樹さんと笠井知紗子さんに、フェアに込めた想いや、準備の裏側について話を聞きました。

ブースで話せて、セミナーで聞ける移住フェア

北海道さっぽろ圏移住フェアの特徴は、情報を「集める場」であると同時に、「人と話す場」であることです。札幌市のほか近隣の自治体を含め合計12市町村それぞれの担当者がブースに立ち、暮らしや住まい、仕事のことなどを直接相談できます。資料を読むだけでは分からない、その街ならではの空気感や実情を、対面で聞けるのが大きな魅力です。

また、会場内ではセミナーも開催されます。札幌市の地域おこし協力隊員や、市町村の担当者が登壇し、実際の暮らしや移住のリアルについて語ります。制度の説明だけではなく、「なぜ移住したのか」「住んでみてどう感じているのか」といった率直な話が聞けるのも、このイベントならではです。

「移住を決めてから来る場所、というよりは、まず知ってもらう場所。気になったら、ちょっと話を聞きに来るくらいでいいんです」と話す和田さん。

「観光で来たことはあるけれど、暮らすイメージはまだない、という方も多いのではないかと思います。ブースで気軽に話してもらったり、セミナーを聞いてもらったりして、少しでもさっぽろ圏のことを知ってもらえたらうれしいです」と笠井さんも続けます。

さっぽろ圏の12市町村が集まる理由

このフェアの特徴は、札幌市と周辺の市町村が参加していることです。以前、札幌未来ベースの記事でご紹介したさっぽろ連携中枢都市圏に参加する12の市町村です。札幌市を中心に、通勤・通学圏であり、生活圏となる自治体で構成されています。

札幌市 まちづくり政策局 政策企画部企画課 企画係 担当係長の和田 直樹さん (左)と、担当の笠井 知紗子さん(右)。
昨春から北海道さっぽろ圏移住フェア2026の運営を担っています。

「海のあるところも、田園風景のところもあれば、都市もある。バラエティがすごいんです」と和田さん。

笠井さんも、「同じさっぽろ圏でも、市町村により雰囲気は全然違います。だからこそ、まとめて見てもらえる場が大事なんです」と話します。

12市町村を一度に比べられるからこそ、「自分の暮らし方に合いそうな場所」を探すきっかけになります。観光で知っている地名と、生活の候補地としての地名は、意外と一致しないものです。

「札幌は観光や北海道の中心都市として知られていてイメージが湧きやすい方も多いと思います。でも、周辺の市町村は名前は聞いたことあるけど行ったことはない、観光地をしては知っているけど…という方が多いかもしれません。そこで担当者から直接話を聞くと、距離感がグッと具体的になります」と笠井さん。

和田さんも「特にさっぽろ圏については人口減少や少子高齢化の問題とともに、若年層が減っているのが大きな問題です。進学でさっぽろ圏に来る方はそれなりに多いのですが、高校や大学を卒業するタイミングで道外に出ていく方が多いんです。理系の就職口が少ないという問題もありますし」といいます。

みなさんのまわりにも、高校や大学の進学でさっぽろ圏に来ても、卒業したらさっぽろ圏外、主に道外に就職している方、よく見聞きしませんか?

さっぽろ圏では人口減少や少子高齢化への取り組みとともに、将来を担う若い人たちがどうすればさっぽろ圏にとどまるか、もしくはいかに道外から来てもらうか、Uターンしてきてもらうかという取り組みや施策が必要なのです。

人口減少問題や少子高齢化問題とともに、若年層の圏域外への流出問題を少しでも改善・解決をしていくために、行政の垣根を超えて取り組みを進めています。

個別に話せる価値と、セミナーで聞く「暮らしのリアル」

フェア当日は、各市町村ごとにブースが並びます。そこに立つのは、実際に移住相談や定住支援を担当している職員たち。パンフレットを配るだけではなく、一人ひとりの話を聞きながら対応します。

「ネットで調べるのと、直接聞くのでは、やっぱり全然違うと思うんです」と笠井さんは言います。

「たとえば『雪ってどれくらい大変ですか』『車は必要ですか』『家賃相場はどれくらいですか』みたいな、ちょっとした疑問でも、その場で聞けます。自治体の担当なので、現実的な話ができるのもポイントですね」

和田さんは、「どこに住むのが正解かを決める場ではない」と強調します。

「何に不安を感じているのか、何を重視したいのかを一緒に整理する場だと思っています。話しているうちに、自分の中で優先順位が見えてくる方も多いです」
個別相談のブースとともに、もう一つの柱がセミナーです。2026年は、札幌市に加えて小樽市や長沼町など複数の自治体関係者が登壇し、それぞれのまちの暮らしや魅力について話します。

札幌市のセミナーには、地域おこし協力隊として活動している隊員も登壇予定です。東京と札幌、両方の暮らしを経験してきた30代の目線で、「実際どうなのか」を語ります。

「移住制度の説明というより、『札幌ってこんなところです』という話をしてもらいたいと思っています」と和田さん。

「移住を決めている人だけじゃなくて、まだぼんやり考えている人にも聞いてもらえる内容にしたいですね」と笠井さん。

「観光の北海道」ではなく、「生活の北海道」。セミナーは、その輪郭をつかむ時間になりそうです。

市役所での移住相談と同じように、フェアでも

和田さんと笠井さんがこの業務を担当するようになったのは、今年の4月から。どちらも、それまでは移住分野とは違う仕事をしていました。

「僕は北海道庁から派遣(出向)で来たので、札幌市の仕事自体が初めてでした。ましてや移住の仕事は、完全に初挑戦でしたね」と和田さん。

「仕事、住まい、子育ての話まで、本当に幅が広いんです。最初は『これはどこに聞けばいいんだろう』って悩みました」

笠井さんも、「私も、部署は同じでしたが移住施策の担当をしたことがなかったので、戸惑うこともありました」と振り返ります。

お二人にとっての移住相談は、イベントの時だけ開かれる特別な窓口ではなく、日常業務の一部です。

「たまたま札幌に旅行に来て、そのついでに市役所に立ち寄って相談される方もいます」と和田さん。

「観光で来たけど、住むとしたらどうなんだろうと思って、という感じですね」

笠井さんも、「電話での相談も結構多いです。仕事の合間に調べて、思い立って電話をかけてくださる方もいますし、制度を教えてほしいという問い合わせもよくありますね」と笑顔。

和田さんもこう補足します。

「事前に予約いただいていればお話できるブースやお部屋の用意もできるので、落ち着いてお話ができます。相談内容によっては、関係部署に相談してもらった方がスムーズなこともあります。そういう調整も、事前にわかっていればしやすいですね」

移住相談というと、何でも即答できる専門家をイメージしがちです。でも現実はそう単純でもないようで

「うちはまず話を聞いて、必要な部署につなぐ役割が大きいですね」と和田さん。

住みたいエリアが決まっていれば、その区役所につなぐ。相談者の状況に合わせて次の一手を案内するのが、日々の業務です。

「答えるというより、『一緒に整理をする』という感覚に近いかもしれません」と笠井さん。

「相談者の中でも、何が不安なのかがまだ言葉になっていないことが多いので、一緒に整理していく感じです」

来場者が多数!昨年の反省を12市町村で共有し改善

通常の移住相談での感覚は、フェアにもそのまま持ち込まれます。

「イベントだから特別なことをするというより、普段の相談業務を、東京でぎゅっとやるイメージです」と和田さん。

「北海道さっぽろ圏移住フェア」は6年ほど続いていますが、昨年は来場者が大きく増え、約350人もの人が会場を訪れました。

「昨年担当していた札幌市の職員や、他市町村の職員に話を聞くと、本当に忙しかったみたいです。来場された方の待ち時間が長くなってしまったり、スタッフが昼休みも取れなかったり…」と笠井さん。

その経験を踏まえ、12市町村で協議して今年の運営方法を決めました。

「1回の相談時間が長引かないように15分刻みにしたり、会場も少しだけ広くしました。少しでも多くの人が移住相談できるように、というのが共通の思いでした」と和田さん。

昨年の現場の声を、今年の運営に反映させているのです。

移住促進の背景には、全国的な課題である人口減少や少子高齢化があります。札幌市や周辺市町村も例外ではありません。

和田さんは、自治体としての大きな課題として捉え、こう語ります。

「人口が減っていく中で、地域をどう維持していくかは大きなテーマです。移住はその一つの手段ですし、関係人口を増やすことも含めて、いろいろな取り組みをしています」

笠井さんも、「若い世代や子育て世代に来てもらえると、地域にとっても大きな意味があります。だからこそ、住みやすさや働きやすさをちゃんと伝えたいと思っています」と話します。

フェアは、そうした取り組みの一環でもあります。ただし、決して「来てください」「移住してください」と押し付ける場ではありません。

和田さんは「まずは知ってもらうことが大事です。知ってもらわないと、選択肢にも入らないので」と話します。

住まいと仕事。現実的な話も、今年はさらに深く

移住相談で必ず出てくるのが、「仕事」と「住まい」です。

「この二つがないと、移住に踏み切れませんよね」と和田さん。

さっぽろ圏移住フェアは、その現実に踏み込んだ相談もできる機会です。
札幌市を中心とするさっぽろ圏では、働く場所と住む場所を分けて考える人が少なくありません。

住居も仕事先も同じ自治体という方が多いのですが、その一方で札幌に家を構えながら、千歳や岩見沢方面に通勤する人もいます。逆に、近郊の町に家を持ち、札幌市に通勤する人も数多くいます。首都圏に例えると、横浜や大宮、千葉から東京都心部に通勤するイメージに近いかもしれません。

「こちらは首都圏のような通勤ラッシュがないので、同じ通勤でも印象が全く違うと言われることもあります」と和田さん。

笠井さんは、「札幌でマンションに住む方もいますし、郊外の町で一戸建てを建てる方もいます。子育てを考えて、家の広さや周辺環境を重視して近郊を選ぶ方も多いですね」と話します。

一方で、エリアによっては賃貸物件の空きが少なかったり、家賃が上がっていたりする現実もあります。

「いいところだけではなく、現実的な部分も含めて、正直にお話しします」と笠井さん。

仕事の面では、昨年に続き「仕事の相談ブース」と「バスのお仕事ブース」が出展予定です。

「バスの運転手不足は地域の課題でもありますし、移住したい人の仕事先の確保というニーズと、地域側の人材確保というニーズが、ちょうど重なる部分です」と和田さん。

札幌未来ベースの姉妹サイトくらしごとのブースもあり、北海道の「くらし」「しごと」を取材してきた編集スタッフが総合的な相談に応じます。

昨年は、フェアでのやり取りをきっかけに移住した方もいたそう。仕事が決まると一気に移住の現実味が増し、「行けるかな」から「行ける」に変わります。移住を夢の話で終わらせない。そのための情報交換ができるのも、このフェアの価値です。

気軽に立ち寄って、移住を考えるきっかけに

2人が繰り返し口にするのが、「気軽に来てほしい」という言葉です。

「本当に、ふらっと来ていただいて構わないです。『北海道に興味ある』くらいで十分です」と和田さん。

「事前予約も受付中で、予約特典もあります。でも当日に気が向いてふらっと来てもらっても大丈夫ですよ」と笠井さんも頷きます。

会場の東京交通会館には、北海道の特産品やお土産が並ぶ北海道公式アンテナショップ「北海道どさんこプラザ 有楽町店」が入っています。買い物に訪れる人も多い場所です。

「どさんこプラザに北海道のお菓子を買いに来たついでに立ち寄ってもらうのも大歓迎です」と和田さん。

移住相談に行くのはハードルが高いかもしれませんが、買い物の延長で立ち寄れるなら、心理的な壁はぐっと下がりますね。

フェア当日、札幌市のブースに立つのは、和田さん・笠井さんのほか数名。たまたまですが、2026年の札幌市の対応メンバーはみなほぼ30代です。

「同世代だと、仕事のことや子育てのことも話しやすいかもしれません」と笠井さん。

「もちろん年齢が近いから何でも、というわけではないですが、まず話してみよう、というきっかけにはなるかもしれませんね」と和田さんは笑います。

他の市町村では、子育て世代の職員の方をはじめ、さまざまな年代の担当者がブースに立ちます。暮らしのリアルな声を聞いてみましょう。

最後に「北海道さっぽろ圏移住フェア」がどんな人にオススメか尋ねたところ

和田さんは、「まだ全然、真剣に考えていない人でもいいです」といいます。

「ちょっと気になる、くらいで。北海道ってどんなところだろう、さっぽろ圏ってどんな感じなんだろう、という入口として来てもらえたら」

笠井さんも、こう続けます。

「移住って、人生の中でも大きな決断なので、1回のイベントで決めるものじゃないと思っています。このフェアをきっかけに少し調べてみたり、相談したり…そうやってつながっていけたらうれしいです」

いきなり「移住」の答えを出すのではなく、考えることからはじめてみる。
北海道さっぽろ圏移住フェア2026は、その最初の一歩を後押しする場です。
2月14日(土)は東京・有楽町で和田さん、笠井さんをはじめとした「さっぽろ圏の人」と話して、移住への一歩を踏み出してみませんか?

和田 直樹さん

札幌市 まちづくり政策局 政策企画部企画課 企画係 担当係長

和田 直樹さん

笠井 知紗子さん

札幌市 まちづくり政策局 政策企画部企画課 企画係

笠井 知紗子さん

北海道札幌市中央区北1条西2丁目1

TEL. 011-211-2192

北海道さっぽろ圏移住フェア2026 特設Web

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