札幌市清田区に本店を構える人気焼肉店「羅山」。厳選した肉を味わえるほか、本場韓国の家庭料理も楽しめると評判です。すすきの、琴似、エスコンフィールドにも店舗があるほか、豊平区の月寒にスープカレーとラーメンの「Soup & Spice スープトニク」も展開。羅山グループの魅力は、肉や料理はもちろん、スタッフの接客やサービスにもあります。働いているスタッフの想いや心意気が、料理や店の雰囲気にも現れているようにさえ感じ、また訪れたいと思いたくなるのです。今回は、そんな羅山グループのスタッフ3人にインタビュー。飲食業の仕事に誇りと夢を持って働いている様子が伝わってくる内容となりました。
フランス料理店、ワインバーを経て、飲食業の価値を高めたいと羅山グループへ
まずは、入社4年で店舗運営事業部長に就任した谷越洸輔さんにお話を伺っていきましょう。
取材が始まる前、取材陣にお茶を出してくれた谷越さん。そのスマートな動きや気配り、そしてその笑顔から、接客のプロという印象を受けます。そんな谷越さんですが、もともとは調理人からのスタートだったそう。

「調理師だった母の影響で、自分も調理の道へ進みたいと調理の専門学校へ進みました。フレンチやイタリアンを主に学び、卒業後は市内のフレンチレストランに勤務し、4年ほど働いたあと、ワイン好きが高じてワインバーへ転職しました」
ワインバーで調理と接客を担当していましたが、しばらくして世の中はコロナ禍に突入します。自身のスキルや経験を生かし、お弁当を作って配達するなど工夫を凝らして店の維持に努めましたが、厳しい営業状況はなかなか変わりませんでした。
「状況的に転職も考えなければならなくなり、思い切って以前から声をかけてくださっていた松井(泰仁)社長に連絡を取り、羅山グループに転職することにしました」
松井社長と知り合ったのは10年ほど前。谷越さんの友人が羅山でアルバイトをしていたのがきっかけでした。その後、松井社長は谷越さんが務めていたワインバーにもよく訪れ、その仕事ぶりを見て何度もスカウトをしていたそう。松井社長にそのことについて尋ねると、「自分でビジョンを描き、組み立て、実行していく力があるタイプだと直感的に思っていたので、ワインと焼肉は畑違いだけれど、うちに来たらさらに成長できるはずだからおいでと誘っていました」と話します。

一方、谷越さんは初めて松井社長に会ったとき「熱い人」だと思ったと言います。仕事の話をするたび、「こんなに熱い想いを持って、飲食業をやっている人を見たことがない」と感じていたそう。
「社長は、一人ひとりの人生を真剣に考えて、その人に合った言葉をかけてくれる人。まるで親のような、兄貴のような存在です。そして、飲食業の価値を上げていきたいというビジョンにも共感できました」
羅山グループに入った谷越さんは、まず清田本店でキッチンに入り、半年後には新たにオープンした韓国料理の店の立ち上げに携わり、その後店長も務めます。エスコンフィールドへの出店も決まっていたため、そちらにヘルプも入っていました。
「エスコンフィールド店に行くことが増えて、ホールに出ているうちに、ホールの仕事が純粋に面白いと思うようになりました。お客さまからもホールのほうが向いているよと言われることも増えて…」
直接お客さまから褒められたり、感謝されたりすることもたくさんありましたが、お客さまが個人のSNSで谷越さんを名指しで高く評価してくれることもあったそう。「驚きましたが、そうやっていいことを書いてもらえると嬉しかったですね」と照れ臭そうに笑います。

目標は、共に働く社員の人生を豊かにし、社長のような人間になること
「飲食業に就いたときから、漠然とですが、いつかは自分の店を持ちたいという目標はありました」と話す谷越さん。ゆくゆくは経営のことも学びたいと思っていたところ、松井社長から店舗運営事業部長に抜擢されます。
全店舗を回り、売上や店舗運営に関して店長と話し合い、相談があった場合は共に考えたり、店長が自分で考えを組み立てられるように導いたりするそう。また、各店のスタッフとも積極的に話し、コミュニケーションを取るようにしています。数字だけでなく、人事評価や研修なども含め、裏方の経営に関することをいろいろ勉強中なのだそう。「とは言っても、現場がやはり好きなので、すすきの店や清田店でヘルプに入ることもあります」とニッコリ。
さらに、研修制度をあらためて見直すということで、飲食コンサルの方と一緒に制度作りにも取り組んでいます。実はこの飲食コンサルの方というのは、羅山グループから独立した石井佑典さん。少し意外な気もしますが、「松井社長は、社員一人ひとりが人生の主役だから、本気でやりたいことは応援するという考え。羅山に残ってキャリアを築いていくか、独立してキャリアを築いていくか、選んでいいよと言ってくれます。石井さんのコンサルとして飲食業界を支えていきたいという想いを受け止め、背中を押したんです」と谷越さん。「自分としては、石井さんは同い年で、うちの会社のことも、自分たちが目指しているものもよく分かってくれているので、一緒に仕事をしていてとても楽しいし、やりがいを感じます」と続けます。

「うちの会社は、社員の人生を豊かに、ライフバリューを高めるという理念を掲げています。どうしても飲食店の仕事はキツイとか、給料が安いとか、ネガティブな印象が先行しがちですが、そこを変えたいという想いが社長にも自分たち社員にもあります。実際、うちの会社は働き方の見直し、改善を積極的に行っていて、以前より待遇や休みなども格段にいいと思います。今取り組んでいる研修制度も、会社は人で成り立っているから、いかに人を大切に育て、組織を強くしていくかが大事だという考えがベースにあります」
松井社長は、「夢だけ語ってもきちんと適正な分配(サラリー)が備わっていなければ、ただのブラック企業」と話し、給与や手当の見直しや改善も積極的に行っています。さらに、人材育成とライフバリューを高めるためのひとつとして、今期から会社の定めた数字目標を超えた売上に関しては、すべてその店に還元し、その使い方は店長に任せるという大胆な方針を定めました。
谷越さんは、「これも店長を育てていくために考えられたもの。店の運営のほとんどの権限を店長に持たせ、どうやれば売上が上がるかを自分たちで考えさせ、それを実践するように促しています。将来、独立を考えている人にとってはすごく勉強になると思います」と話し、自身は店舗運営事業部長として店長たちのサポートやフォローにあたるそう。

「今は自分の店を持つより、まずは社長のような人になりたいと思っています。そして、社長と共に飲食の仕事の面白さややりがいを伝え、広めていきたいです。社長は、失敗したらそのときに考えればいいから、とにかくやってみろとチャレンジさせてくれます。その懐の深さをはじめ、実績、人柄、周囲からの信頼、飲食業に対する想い、熱量など、あらゆる面で社長のことを尊敬していますし、憧れています。自分も後輩たちから憧れを持ってもらえるような人間になりたいですね」
将来の目標について語ってくれた谷越さん、「もちろん、これから先も大変なことはあると思いますが、それらを含め、すべてを楽しみたいと思います。そういうマインドを持っているタイプなんで」と最後に笑顔で話してくれました。
学生バイトから入社。自分の得意を生かし、クリエイティブに働けるのが魅力
次に、正社員で入社して3年、清田本店の店長になったばかりという宮田陸さんにお話を伺おうと思います。
大学1年のときから清田本店でアルバイトをしていた宮田さん。4年生のときには就職活動もしたそうですが、結局そのまま羅山グループに就職します。

「就活でいろいろな企業や職種も見たんですけど、やっぱり羅山で働くのが楽しかったんです。一緒に働いていた仲間も良かったし、バイトも4年になるといろいろ任せてもらえたし…。それで、そのまま社員になりました。飲食業というより、羅山が良かったんですよね」
社員になってからは、エスコンフィールド店やスープトニクなど他の店舗へ。
「アルバイトの時と違って、社員になったことで大変なこともありましたけど、周りの先輩たちもサポートしてくれたし、困難を乗り越えたときに得られる達成感を知っているから続けてこられた感じがします」
自分のことを「大変なことを楽しめて、困ったことがあっても、どうやったら良くなるかを考えるタイプ」と分析する宮田さん。「うちの会社は自分の考えでやってごらんと言ってくれるので、クリエイティブにできるのが魅力。やりがいにもつながります」と話します。

魅力という言葉が出てきましたが、福利厚生も含め、会社の魅力について尋ねると、「スキルアップの評価やアイデアに対しての評価がきちんとしているところ。これがあることでやりがいをより感じられます」と話し、さらに「給料もいいし、役職手当などもしっかり付いているし、有休が自由に使えますしね。でも何より、自分の得意なところを最大限生かして働くことができ、いろいろチャレンジさせてくれる職場というのが一番じゃないでしょうか」と続けます。
3か月に1度は営業部長との面談があるそうで、改善したいことや店舗でやってみたいことなどの相談もできると言います。「プライベートでも仲良くさせてもらっているので、面談のときだけに限らず、普段から仕事の話ができるのも自分としてはありがたいです」とニッコリ。

店舗ではホールと調理補助を担当していますが、店長になるにあたり、肉をカットする肉場のことも知っておきたいと考え、肉場の仕事にも携わっているそう。
「店長の裁量で店舗運営を任されるというプレッシャーもありますが、まずは自分の古巣である清田本店をもっと良くしたいと思っています。いい意味で自分の色を出していきながら、お客さまの満足度を上げ、もっと常連客も増やしていきたいですね」
また、アルバイトから正社員、店長にまでなったロールモデルとして、後輩たちに若手であってもチャンスがあるというところを見せていきたいと話してくれました。
羅山に入ってから飲食業が好きに。福利厚生も含め、働きやすい環境が整っている
最後にお話を伺うのは、琴似店のキッチンで肉をカットする肉場で調理に携わっている吉村千弥さんです。
吉村さんはツアーコンダクターになりたいという夢があったそうですが、就職活動をしていた時期がコロナ禍だったため、観光業の求人がほとんどなく、なんとか就職できた地方のホテルでレストランやベーカリーカフェを担当していたそう。

「1年いたのですが、札幌出身というのもあって、札幌に戻りたいと思い、転職活動を始めました。ちょうどそのころ韓国料理に興味があって、羅山グループに応募しました」
観光業とは異なる飲食業でしたが、「逆に会社に入ってからは、もっといろいろ飲食のことをやってみたいと思うようになりました」と話し、「羅山は職場の人たちがいい人ばかり。みんな仲もいいし、一緒に頑張ろうという意識が高いと思います。そういう環境も大事だなと入社して思いました」と続けます。
調理人としてキッチンに入っていた吉村さん、肉をカットしている先輩を見て、肉場の仕事に興味を持つように。
「そんなとき社長から、肉場をやってみないかい?と声をかけてもらいました。羅山で女性初の肉場担当だよと言われ、尚さら挑戦してみたいと思って引き受けることに。難しそうだなと思いましたが、琴似店は店長が肉場担当でもあるので、いろいろ教えてもらいながらやっているうちに、どんどん仕事が面白くなっていきました」

肉は切り方や処理、仕込みの仕方でおいしさが変わるそう。お客さまに出すときの皿の盛り方も大事だと吉村さん。「お客さまにおいしく食べていただき、満足してもらえるかどうかがやりがいにつながります」と話し、「店長にも褒めてもらえることが増え、自信もついてきました」と満面の笑みを浮かべます。
この冬からすすきの店へ異動することが決まっている吉村さん、「目の前にお客さまがいる状態で調理や接客をするので、これまでとはまた違った形になりますが、新たな挑戦として頑張りたいです」と話します。
「羅山に入ってから、飲食の仕事が好きになりました。うちの会社は、挑戦する場所を与えてくれるのも魅力ですが、福利厚生などが整っているのも魅力。有休が取りやすく、しかも連続で取得が可能なので、リフレッシュで旅行に出かけられるのもありがたいなと思います。飲食業に就いたら、そんなことはできないかと思っていましたが、羅山は従来の飲食業の常識を覆す働き方を実践している会社です」
小柄な吉村さんですが、これからも羅山で仕事を続けたいと力強く最後に話してくれました。
谷越さん、宮田さん、吉村さんと3人のインタビューを終え、「従業員の生活の価値を高めることで、それぞれが夢や理想を掲げ、それに向かって頑張れる」という松井社長の想いが夢物語ではなく、きちんと形になっていることがよく分かりました。会社自体もさらなる高みを目指している羅山グループ。これからどのように発展していくかが楽しみです。



